3.機械式駐車場の変更
駐車場の変更は、主に次の手順でなされています。
(1)アンケートを実施 5年後、10年後、15年後 駐車場を 1)利用したいのか、2)利用しないのか この確認が「稼働率」を予想し、修繕予算を決めるために大切な項目となります。
また、駐車場利用者、また他の住民から公平に意見を収集します。 多くの駐車場問題は、住民間の不公平から生じているからです。 駐車場訴訟の判例の多くは、駐車場の不公平な使用方法となっていました。 不公平感が高まり、争いが生じ、裁判となっていました。 「駐車場 最高裁判例」のキーワードでネット検索すると、ヒットします。
例えば、駐車場の使用料の額を決めるとき、最判平成10・10・30の判例が管理の基準となります。
判例の本文の一部をそのまま次に引用しました。
「専用使用権は、区分所有者全員の共有に属するマンション 敷地の使用に関する権利であるから、 これが分譲された後は、管理組合と組合員たる専用使用権者との関係においては、 法の規定の下で規約及び集会決議による 団体的規制に服すべきものであり、 管理組合は、法の定める手続き要件に従い、 規約又は集会決議をもって専用使用権者の承諾を得ることなく使用料を増額することができる。」
「増額された使用料が当該区分所有関係において社会通念上相当な額であると認められること」を 要件として、「特別の影響」を及ぼす場合にあたらないとしています。 さらに「社会通念上相当な額」であるか否かについては、判例では「例えば」として、 1) 駐車場分譲代金額とマンション本体価格、 2) 近隣の駐車場使用料とその推移、 3) マンション敷地の価格と公租公課の変動、 4) 駐車場使用者の使用期間、 5) 駐車場の維持管理に要する費用額、
「等を総合的に考慮して判断すべきものである。」と判断されました。
(2)改善策の検討 1)外部駐車場の利用、または課税問題を解決して外部に貸し出す 2)敷地内の緑地を駐車場に変更する 3)敷地の近隣に有る「空き地」などを駐車場として一括賃借りする 4)カーシェアリング方式を導入する 5)通路や排水路にフタをした敷地内・外で路上駐車を検討する (※必要に応じて、市町村と協議します。)
(3)住民への説明会 合意形成のベターの方法は、説明会の開催です。 事前に、「広報」「管理組合ニュース」「掲示板」などでもお知らせします。
(4)総会(特別決議) 主に、共用部分の用途変更になるため、特別決議が必要です。
特別決議が必要になる場合、次の手順となります。
1)管理会社へ現状の確認・ヒアリング 2)修繕記録、保守報告、点検記録の閲覧 3)メーカー立会いによる、同一型式の故障・トラブル調査 4)規約・細則の確認と 貴マンション全体の長期修繕計画書を確認いたします。 5)問題分析と解決策の策定 6)理事会にて役員へヒアリング、 必要に応じて、住民へアンケートを行います。 7)メーカーを通し、施工業者選定のサポート 8)理事会・総会への説明会 9)規約見直し案・細則案の作成 10)総会の指導 11)工事完了後、アフターフォローを無料でいたします。
(5)ご質問ガイド
すでに説明しましたように、マンションの機械式立体駐車場での事故が多発しています。 2007年6月から2013年までに約10日に1件の割合で事故が発生していました。
柳澤マンション管理士事務所では、次の「ご質問ガイド」に従い現状をお聞きしています。
駐車場問題の原因分析のために
1.マンションの機械式駐車場での死亡事故が最近テレビ・新聞などで報道されるようになりました。 また、都心では車離れにより、機械式駐車場の空きが目立ち、維持管理費などの負担が問題となってきました。 貴マンションでの機械式駐車場の現状をお聞かせください。
2.以降にマンションの機械式駐車場の問題と理事会などの課題をまとめました。 各々について、貴マンションの機械式駐車場について理事会でどのように話されているのか、 住民の不安、機械式駐車場の修繕費の問題、故障の多少などお聞かせください。
住民の不安:故障が多く、修繕費用の根拠が不明確、高額なメンテナンス費用の根拠が不明確、 高額なリニューアル費用の根拠が不明確、車のサイズ制限、保守点検に専門用語が多く難解など
駐車場修繕計画:耐用年数の15年は、減価償却資産のために定められた年数、その延長について、 保守記録、修繕記録など
メンテナンス費用:点検サイクルは、年間4,6,12回のどのサイクルですか、費用は、2~3万円/年/台ですか。 鉄部の塗装の修繕周期は、6~8年周期ですか。
修繕費の予算不足:修繕費用の積立金不足となっているマンションが多くあります。 国土交通省のガイドラインにより、「駐車場会計」を他の会計(一般、特別)と区分していますか。 また、維持費を抑えるため、駐車場の種類変更を計画していますか。 機械式から自走式に変更すると更新費用が約1/2、しかもメンテナンスフリーとなります。
死亡事故防止の対策:機械式駐車場は、法定点検となっていないため、死亡事故のみ報道されています。 国土交通省では、チェーンから扉に変更し、事故防止をアナウンスしています。 住民の事故に対するアンケート調査を行い、事故を防ぐ対策を具体的に計画していますか。
管理組合の立場に立ち、機械式駐車場の問題解決をマンション管理士が行います。 第三者として客観的・専門家の判断をご提案いたします。ぜひ、マンション管理士の専門知識をご活用ください。
ご相談は、無料です。 次のリンクより相談情報を送信ください。
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